最終更新日:2024/07/05

相続放棄と生命保険

このページでは、相続放棄と生命保険についてご説明いたします。 皆様から、よくいただく質問の中に、「相続放棄をした場合、生命保険はもらえなくなりますか」というものがあります。 生命保険契約をする場合、通常、死亡保険金の受取人を指定します。

受取人が指定されている場合、遺産分割の対象にはなりません。

※相続放棄について詳しくはこちらをご覧ください。

生命保険は受取人固有の財産であり、相続財産ではない

相続放棄をしても受取人が指定されている生命保険の保険金は、受け取ることができます。

相続放棄をしても、生命保険金を受け取ることは可能です。これは、生命保険金が「相続財産」ではなく、「受取人固有の財産」として扱われるためです。

判例でも、「被相続人死亡と同時に、相続人の固有財産となり、被保険者である被相続人の相続財産より離脱しているものと解すべきである」としています。

つまり裁判所は、生命保険は相続財産ではないと判断したことになります。

この判例以降、どのようなタイプの生命保険であれ、相続放棄をしても保険金は受け取ることが可能になりました。 また、受取人が「相続人」と指定されている場合も同様にです。

生命保険金の受取人が相続放棄をしたことで「相続人」ではなくなったとしても、生命保険を受け取ることができます。

条件によっては保険金が受け取れない場合もある

しかし、被相続人が保険金受取人となっているときには、相続放棄をすれば保険金を受け取ることはできませんので注意が必要です。

相続放棄をした場合でも、生命保険金を受け取れるかどうかは、いくつかの条件によって決まります。

生命保険金を受け取れない事がある条件

受取人が被相続人(亡くなった方)の場合

生命保険契約または約款により、被相続人が保険金受取人となっている場合は、相続放棄をすると保険金を受け取ることができません。

保険金が相続財産として扱われるためです。

解約返戻金が発生する場合

亡くなった方が契約者であり解約返戻金が発生する場合、その返戻金は相続財産として扱われるため、相続放棄をすると受け取れません。

医療保険の入院給付金など

受取人が亡くなった方自身となっている医療保険の入院給付金なども、相続財産として扱われるため、相続放棄をすると受け取れません。


以上の場合は保険金は相続財産となります。

相続人が保険金を受け取る事は、相続したもの(単純承認)とみなされるため注意が必要です。

まとめ

受取人が相続放棄をした人として指定されている場合や、受取人が法定相続人と定められている場合は、生命保険金を受け取る事ができます。

つまり、受取人が相続人に指定されている生命保険については、一切考慮せずに相続放棄することが可能です。

悩んで無駄な時間を無為に費やしては、相続放棄の期限である3ヶ月は簡単に過ぎてしまいます。 相続放棄は時間との勝負ですので、悩まないで専門家に相談することが大切です。

相続放棄と生命保険についてさらに詳しく知りたいという方、お気軽にお問合せ下さい。

この記事を書いた司法書士

鈴木 喜勝司法書士事務所センス 代表司法書士
【保有資格】: 司法書士、行政書士
【専門分野】: 相続全般、遺言、生前対策、不動産売買
【経歴】: 2010年度行政書士試験合格、2012年度司法書士試験合格。2012年より相続業務をメインとする事務所と不動産売買をメインとする事務所の2事務所に勤務し実務経験を積み、2014年に独立開業。独立後は自身の得意とする相続業務をメインとし、相続のスペシャリストとして相談累計件数は1500件を超える。2024年司法書士事務所センス開業10周年、現在に至る。

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