生前贈与
最終更新日:2026/05/18
目次
生前贈与とは?賢く財産を引き継ぐための基礎知識と代表的な制度
生前贈与とは、ご自身が生きている(元気な)うちに、子どもや孫などの特定の相手へ財産を無償で譲る手続きのことです。
ご自身の財産を「誰に・どれくらい渡すか」を自分自身の意思で決定し、目の黒いうちに財産の引き継ぎを完了させることができるため、将来の相続トラブル(争族)を未然に防ぐ大変有意義な制度です。
また、各種の非課税制度や特例を正しく活用することで、将来の相続税負担を大幅に軽減する効果も期待できます。
ここでは、代表的な生前贈与の種類と、それぞれの特徴について分かりやすく解説します。
目的や状況に合わせて選ぶ、5つの生前贈与
生前贈与には、目的や贈与する相手によって様々な制度が用意されています。
ご自身の状況に最も適した方法を選ぶことが、節税と円満相続の第一歩です。
1. 暦年贈与と連年贈与(基本の贈与)
• 暦年贈与(れきねんぞうよ)
1月1日から12月31日までの1年間に受け取った財産の合計額が110万円以下」であれば贈与税がかからない最も基本的な制度です。
• 連年贈与(れんねんぞうよ)の注意点
毎年同じ時期に同じ金額を贈与し続けると、税務署から「最初から多額の贈与をするつもりで分割しただけ(定期金給付契約)」と見なされ、過去に遡って多額の贈与税が課せられるリスクがあります。
贈与の都度、贈与契約書を作成し、金額や時期に変化を持たせることが重要です。
【詳細はこちら】
[▶ より効果的な節税対策とは?「暦年贈与と連年贈与」の違いを読む]2. 相続時精算課税制度(親から子・孫へのまとまった贈与)
60歳以上の父母または祖父母から、18歳以上の子や孫へ贈与を行う場合に選択できる制度です。
累計2,500万円までの贈与について贈与税が非課税となりますが、贈与者が亡くなった際、その贈与財産を相続財産に足し戻して「相続税」として計算・精算します。
早期にまとまった財産を移転させたい場合や、将来値上がりが予想される財産を贈与する際に有効です。
【詳細はこちら】
[▶ 税負担を軽減する条件とは?「相続時精算課税制度」を読む]
3. 住宅取得等資金の贈与税の非課税特例(マイホーム購入支援)
親や祖父母(直系尊属)から、子どもや孫がマイホームを購入・増改築するための資金を援助してもらう場合、一定の条件を満たすことで最大1,000万円まで贈与税が非課税となる制度です。
※本特例は期間限定の措置であり、現行法では【令和8年12月31日まで】の適用となっています。要件が細かく定められているため、実行前の確認が必須です。
【詳細はこちら】
[▶ 適用要件をチェック!「住宅取得資金の特例」を読む]4. おしどり贈与(婚姻期間20年以上の夫婦間贈与の特例)
婚姻期間が20年以上の夫婦間で、居住用の不動産(自宅)や、その不動産を購入するための資金を贈与する場合に使える特例です。
通常の基礎控除110万円に加えて、最大2,000万円までが非課税となります。同じ配偶者からは一生に一度しか利用できませんが、残される配偶者の生活基盤を確実に守るための強力な制度です。
【詳細はこちら】
[▶ 配偶者を守る特例「おしどり贈与(夫婦間贈与)」を読む]5. 負担付死因贈与契約(条件付きの財産譲渡)
「私が亡くなるまで介護をしてくれたら、自宅の土地と建物を譲る」といったように、受贈者(もらう側)が一定の義務(負担)を果たすことを条件として、贈与者の死後に財産を譲る契約です。
一方的な意思表示である「遺言」とは異なり、双方の「合意(契約)」によって成立するため実行力が強いのが特徴です。言った・言わないのトラブルを防ぐため、公正証書での契約書作成が推奨されます。
【詳細はこちら】
[▶ 遺言より確実?「(負担付)死因贈与契約」を読む]生前贈与で失敗しないために(Q&A・失敗事例)
生前贈与は、ルールを誤解したまま進めてしまうと、「非課税特例が適用されなかった」「相続で分けた方が税金が安かった」「特定の家族にだけ贈与して兄弟間の絶縁トラブルになった」といった深刻な失敗を招く恐れがあります。
トラブルを避け、確実な財産移転を行うためには、事前の十分な計画と専門知識が不可欠です。
生前贈与のQ&A
「孫への贈与はできる?」「名義預金にならないためには?」など、皆様から寄せられるよくある質問にお答えしています。
[▶ 相続専門の司法書士が答える「生前贈与のQ&A」を見る]生前贈与の失敗事例
実際に起きてしまった失敗ケースから、注意すべきポイントや落とし穴を学びましょう。
[▶ 取返しがつかなくなる前に。「生前贈与の失敗事例」を見る(※内部リンク)]この記事を書いた専門家
- 司法書士事務所センス 代表
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【保有資格】: 司法書士、行政書士
【専門分野】: 相続全般、遺言、生前対策、不動産売買
【経歴】: 2010年度行政書士試験合格、2012年度司法書士試験合格。2012年より相続業務をメインとする事務所と不動産売買をメインとする事務所の2事務所に勤務し実務経験を積み、2014年に独立開業。独立後は自身の得意とする相続業務をメインとし、相続のスペシャリストとして相談累計件数は1500件を超える。
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