最終更新日:2024/04/20

  1. 法定相続と相続人

民法では、相続人には配偶者、子供、親、兄弟姉妹が含まれ、「法定相続人」と呼ばれます。

相続人の種類と相続分

法定相続人は、第一順位から第三順位まで分けられ、それぞれの順位に応じて相続分が定められています。

第一順位は子供と配偶者で、子供がいない場合は配偶者が全てを相続します。子供がいる場合、配偶者は2分の1、子供は残りの2分の1を等分します。

法定相続人の順位ならびに割合

法定相続の順位割合は下の表ように決められています。

順 位 法定相続人 割合
子と配偶者 子=1/2
配偶者=1/2
直系尊属と配偶者 直系尊属=1/3
配偶者=2/3
兄弟姉妹と配偶者 兄弟姉妹=1/4
配偶者=3/4

基本的に配偶者や子供は相続人になれる

配偶者や子供関しては、法律上、相続の際には常に相続人の地位を有します。

なぜなら、配偶者が故人の財産を引き継ぐ権利を保持していることを意味しており、他の相続人がいる場合でもその権利は変わりません。

直系尊属は子供がいない場合のみ相続される

子供がいない場合、直系尊属が相続の権利を持ちます。

直系尊属には、故人の親が含まれ、この家族構成員は、子供がいないという特定の条件下でのみ、相続人となることができます。

これは、家族の世代間での財産の移転を意味し、家族の資産が次の世代に渡ることを保証します。

兄弟姉妹の後継者としての役割

兄弟姉妹は、子供や直系尊属がいない場合、相続人となります。

家族の中でより遠い血縁関係にあるにもかかわらず、故人の遺産を守り、継承する責任を負うことを意味します。

兄弟姉妹が相続人となるのは、故人の直系家族が既に亡くなっているか、存在しない場合に限られます。

相続人調査

相続人は大きな財産を手にすることもありますので、今まで会ったこともないような相続人が突然現れたり、本来ない権利を主張する人が現れることも少なくありません。

正しい手順で、相続人を調査する必要があります。
正しい手順は、以下のとおりです。

手順1: 戸籍謄本の収集

故人の生涯にわたる「戸籍謄本」「除籍謄本」「改製原戸籍」を集めます。

出生から死亡までの情報が必要です。

手順2: 法定相続人の特定

収集した戸籍謄本をもとに、法定相続人を特定します。

通常、この段階で故人の配偶者、子供、両親が確認できます。

手順3: 直系尊属または兄弟姉妹の調査

子供がいない場合、故人の両親やその他の直系尊属が相続人となります。

直系尊属がすでに亡くなっている場合は、兄弟姉妹が相続人となるため、そちらの戸籍謄本も収集します。

相続人調査の実際の事例

相続人調査では、予想外の相続人が多数現れることがあります。また、全く聞いたことのない名前の相続人が出てくることも珍しくありません。

調査が不正確だった場合、後から本来の相続人が現れて相続権の回復を請求することがあり、相続手続きを最初からやり直さなければならなくなることがあります。これが原因で訴訟に発展することもあります。

相続人の居住地の多様性

相続人は日本国内はもちろん、場合によっては海外に居住していることもあります。

相続が発生した直後に、全ての相続人の戸籍を集める作業は大変な労力を要します。

まとめ

法定相続の優先順位

配偶者は常に相続人になります。

第1順位は直系卑属(子どもや孫など)です。

第2順位は直系尊属(親や祖父母など)です。

第3順位は兄弟姉妹です。

兄弟姉妹が亡くなっている場合は甥や姪が相続人になります。

法定相続分

配偶者と子どもがいる場合

配偶者が2分の1、子どもが2分の1を相続します。

配偶者と親が相続人の場合

配偶者が3分の2、親が3分の1を相続します。

配偶者と兄弟姉妹が相続人の場合

配偶者が4分の3、兄弟姉妹が4分の1を相続します。

直系卑属が亡くなっている場合は代襲相続

直系卑属が亡くなっている場合、その子どもが代わりに相続します。

代襲相続人は、亡くなった相続人の相続分を引き継ぎます。

※代襲相続について詳しくはこちらをご覧ください。

この記事を書いた司法書士

鈴木 喜勝司法書士事務所センス 代表司法書士
【保有資格】: 司法書士、行政書士
【専門分野】: 相続全般、遺言、生前対策、不動産売買
【経歴】: 2010年度行政書士試験合格、2012年度司法書士試験合格。2012年より相続業務をメインとする事務所と不動産売買をメインとする事務所の2事務所に勤務し実務経験を積み、2014年に独立開業。独立後は自身の得意とする相続業務をメインとし、相続のスペシャリストとして相談累計件数は1500件を超える。2024年司法書士事務所センス開業10周年、現在に至る。

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