上手な遺言の利用方法

最終更新日:2026/04/06

上手な遺言の利用方法とは

間違えると大変!遺言は正しい知識を持って作りましょう!

遺言書は、ご自身の築き上げた大切な財産を「誰に」「どのように」引き継ぐかを示す最終意思です。

遺言書があるおかげで遺産分割がスムーズに進み、家族間の争い(争族)を避けることができます。

また、遺言書の内容は法定相続よりも優先されるため、被相続人の意向に沿った確実な財産の分配が可能になります。

ここでは、遺言書の賢い活用方法や、遺言によって法的な効力を持つ事項(遺言事項)、そして2026年の最新の法改正動向について分かりやすく解説します。

遺言書でできること(遺言事項)

遺言書には、ただ財産の分け方を書くだけでなく、様々な法的な効力を持たせることができます。大きく分けて以下の4つの分類があります。

1. 財産の処分に関すること

• 第三者への遺贈

お世話になった方や、息子の妻(嫁)、内縁のパートナーなど、法定相続人以外の人にも財産を譲ることができます。

• 寄付行為

社会福祉団体や公的機関、菩提寺、NPO法人などへ財産を寄付(遺贈寄付)したり、財団法人設立のための寄付を行うことができます。

• 信託の設定(遺言信託)

信頼できる人や信託銀行などに、財産の管理や運用を任せる設定ができます。

2. 相続分の指定・遺産分割に関すること

• 相続分の指定

「長男に3分の2、次男に3分の1」といったように、法定相続分とは異なる割合を指定できます。

• 遺産分割方法の指定

「自宅の不動産は妻に、預貯金は長女に」など、具体的に誰にどの財産を相続させるか指定できます。

• 特別受益の持戻しの免除

生前に行った贈与(住宅資金の援助など)を、相続財産の計算に含めないよう免除することができます。

• 遺留分侵害額請求の順序・割合の指定

相続人の最低限の取り分(遺留分)が侵害された場合、どの遺贈から優先して減殺(返還)するか順序や割合を指定できます。

• 共同相続人間の担保責任の減免・加重

遺産分割後に、相続した財産に欠陥があって損害を受けた場合の相続人間での補償義務を、軽減または加重することができます。

3. 身分に関すること

• 未成年後見人・未成年後見監督人の指定

相続人に未成年者がいて親権者がいない場合、遺言によって未成年後見人を指定することができます。

• 非嫡出子の認知

婚姻関係にない男女間に生まれた子どもを、遺言によって認知することができます。

• 法定相続人の廃除・廃除の取り消し

著しい虐待などを被相続人に加えた場合、特定の相続人から相続権を奪う(廃除する)、またはその廃除を取り消すことができます。

4. 遺言執行者の指定

遺言の内容を実際に正確に実行してもらう責任者(遺言執行者)を指定することができます。

確実に遺言を実現するために、専門家を指定するケースが一般的です。

【2026年最新動向】遺言のデジタル化と法改正のポイント

遺言制度は近年、社会情勢に合わせて大きくルールが変わってきています。

2024年の相続登記の義務化に続き、2026年には「デジタル技術を活用した遺言方式」の法案が閣議決定されるなど、大きな転換期を迎えています。

新制度「保管証書遺言」の創設とデジタル対応

これまでの自筆証書遺言は「全文を手書きし、押印する」という厳しい要件がありましたが、負担の大きさから見直しが進められました。

2026年4月に閣議決定された民法改正案では、パソコンやスマートフォンでの遺言作成(デジタル遺言)の容認や、自筆証書遺言における「押印の廃止」、さらに新たな遺言方式である「保管証書遺言(遺言書保管官の前で口述しデータ等で保管する方式)」の導入が盛り込まれ、より手軽に遺言を残せる環境整備が進んでいます。

▶ 法務省:民法(遺言関係)等の改正に関する要綱案

自筆証書遺言書保管制度の活用

すでに運用が開始されている「法務局における自筆証書遺言書保管制度」を利用すれば、作成した遺言書を法務局で安全に保管してもらえます。

紛失や改ざんのリスクがなく、相続発生後の家庭裁判所での「検認手続き」も不要になるため、大変メリットの大きい制度です。

[▶ 安全な保管方法とは?「遺言の保管と執行」について詳しく見る]

特に遺言書を作っておくべきケース

以下のような状況に当てはまる方は、残されたご家族がトラブルに巻き込まれる可能性が高いため、早めの遺言書作成を強くお勧めします。

1. お子様がいないご夫婦(配偶者と、被相続人の親や兄弟姉妹が相続人となり揉めやすい)

2. 再婚しており、前妻・前夫との間に子どもがいる方

3. 内縁の妻(夫)など、籍を入れていないパートナーに財産を残したい方

4. 事業をしており、特定の跡継ぎに事業用資産を集中させたい方

専門家と一緒に確実な遺言書を作成しましょう

せっかく作成した遺言書も、日付の抜けや曖昧な表現など、法律の要件を満たしていないと「無効」になってしまう恐れがあります。

ご自身の想いを確実に実現し、大切なご家族を守るためには、作成段階から専門家のサポートを受けることが最も安全で確実な方法です。

当窓口では、最新の法改正に対応した「公正証書遺言」や「自筆証書遺言」の作成サポートから、遺言執行者の就任まで、経験豊富な専門家がトータルで支援いたします。

まずはお気軽にご相談ください。

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この記事を書いた専門家

鈴木 喜勝司法書士事務所センス 代表
【保有資格】: 司法書士、行政書士
【専門分野】: 相続全般、遺言、生前対策、不動産売買
【経歴】: 2010年度行政書士試験合格、2012年度司法書士試験合格。2012年より相続業務をメインとする事務所と不動産売買をメインとする事務所の2事務所に勤務し実務経験を積み、2014年に独立開業。独立後は自身の得意とする相続業務をメインとし、相続のスペシャリストとして相談累計件数は1500件を超える。

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