最終更新日:2024/06/07

相続税対策

安全に相続税を節税する対策については、大きく分けて2つの柱があります。

1つ目は、生前贈与を中心とした相続税の節税のための対策になります。

2つ目は、相続税の納税資金を確保していこうと考えていく対策です。

もちろん、他にも方法はありますが、時代の流れや、制度によって変わるものが多くあるため、その都度ご紹介したいと思います。

生前贈与で相続税を節税する

他のページでも触れていますが、相続税の負担を軽減するための一つの方法として、生前贈与があります。

相続が発生する前に財産を家族や親族に移転することで、相続時に発生する税額を減らす事ができます。

この方法によって相続発生後の財産が減少し、結果として相続税の評価総額も減少し、最終的に支払う相続税も減額されます。

生前贈与による相続税の節税

相続税の負担を軽減するためには、生前贈与が有効な手段の一つです。

特に、2024年の税制改正により、生前贈与の非課税枠が拡大され、より多くの人が節税メリットを享受できるようになりました。

新しい相続時精算課税制度の概要

2024年1月1日から、新しい相続時精算課税制度が施行されました。

この制度は、60歳以上の親から18歳以上の子や孫への贈与に適用され、以下の2つの控除があります。

基礎控除

年間110万円までの贈与は非課税(紛らわしいですが暦年課税の年110万円の基礎控除とは別です)

特別控除

基礎控除を超える贈与財産が累計2500万円まで非課税

以上の控除を活用することで、贈与税の負担を大幅に軽減することが可能です。

土地又は建物の価額の特例の創設

特定の土地や建物に関して、贈与時の時価から災害により被害を受けた部分に相当する額を控除した残りの額が相続税の課税価格に加算されます。

参考リンク: 国税庁 相続税及び贈与税の税制改正のあらまし

改正前の相続時清算課税との違い

改正前は、贈与税の基礎控除がなく、贈与された財産は全額が相続税の課税価格に加算されていました。しかし、改正後は、年間110万円までの贈与については基礎控除が適用され、非課税となります。

また、贈与額が累計2,500万円を超えた場合は、一律20%の贈与税がその都度かかります。

これらの変更により、相続時精算課税制度の利用がより柔軟になり、特定の条件下で税負担を軽減できる可能性が高まりました。

ただし、制度の選択には慎重な検討が必要であり、専門家への相談が推奨さます。具体的なご状況に応じたアドバイスを得るためにも、税理士などの専門家にご相談されることをお勧めします。

新設された相続時精算課税のメリット

年間110万円の非課税枠が使えるようになった

新設された基礎控除により、年間110万円までの贈与が非課税となります。

累計2500万円の特別控除

基礎控除を超える贈与財産については、累計2500万円まで非課税です。

相続税の先送り

贈与税の支払いを生前贈与時から相続発生時に先送りすることができます。

注意点

届出書の提出

相続時精算課税制度を利用する場合、贈与を受けた年の翌年の2月1日から3月15日までに届出書の提出が必要です。

特別控除の超過部分

累計2500万円を超える部分には20%の贈与税がかかります。

概要まとめ

生前贈与を通じて相続税を節税することは、賢い財産管理の一環です。

新しい相続時精算課税制度を理解し、適切に活用することで、将来の税負担を軽減することができます。ただし、制度の利用には正確な理解と適切な手続きが必要であるため、専門家のアドバイスを求めることが重要です。

ご不明点があれば、是非ご相談ください。

贈与を活用した生命保険

子供に毎年一定の資産を贈与し、その資金で子供を契約者、親を被保険者とする生命保険を契約することは、親の死亡時に保険金としてまとまった金額が支払われ、納税資金の準備をする事ができます。

贈与した資金の使用目的が決まっているため、子供が無駄遣いをするリスクを抑える事ができます。

税務署への対策

税務署に贈与の事実を証明するためには、以下の点に注意が必要です。

贈与契約書の作成と保存

毎年贈与契約書を作成し、これを保存することで、贈与の事実を明確に示すことができます。

贈与税の申告と納税

110万円以上の贈与を行った場合は、毎年申告書を提出し、適切に納税することが重要です。

贈与税申告書の保管

贈与税申告書を保管することで、将来的に贈与の証拠として利用できます。

生命保険料控除の非活用

贈与者は生命保険料控除を活用しないことで、贈与の意図を明確にすることができます。

贈与の証拠となるその他の書類

贈与の事実を証明するためには、その他の証拠となる書類も重要です。

受贈者専用の預金口座から保険料を支払い、通帳や印鑑の保管を受贈者が行うことも、贈与の証拠として有効です。

ただし、ケースによってはさらに注意が必要な点があるため、生命保険会社などの専門家に相談することをお勧めします。

※なお、相続開始前3年以内の贈与は相続財産に含まれるため、贈与の効果はありません。

生命保険を使って納税金を準備する

これは納めるべき相続税を確保していこうと考えていく対策です。

相続税を不動産などの資産を処分せずに一括で現金で支払えるように、生命保険金を利用して納税のための資金を準備できるようにするのが、このタイプの対策です。

具体的には、被相続人の加入している生命保険の受取人を相続人にしておけば、相続人には死亡保険金が入ってきますので相続税を支払うことができます。

1. 生命保険のメリット

生命保険を活用することで、相続税の納税資金を確保することができます。相続が発生した際に、生命保険金を受け取ることで、現金を納税資金として利用することができます。これにより、不動産などの資産を処分せずに相続財産を維持することが可能です。

2. 生命保険の非課税枠

生命保険金には非課税枠があり、法定相続人一人当たり500万円までが非課税となります。(生命保険の非課税限度額といいます)

例えば、相続人が配偶者と子供2人の場合、非課税枠は500万円 × 3人 = 1500万円となります。この非課税枠を利用することで、相続税の負担を軽減することができます。

保険金受取人および被保険者を相続人として、保険契約者を被相続人とする契約であれば、相続が開始したときに生命保険契約に関する権利を相続人が引き継ぐことになります。

3. 具体的な活用方法

生命保険を活用する際の具体的な方法について説明します。

3.1 必要な保険金額の算出

まず、相続税の総額を計算し、その納税資金として必要な保険金額を算出します。例えば、相続財産が3億円で相続人が配偶者と子供1人の場合、必要な保険金額は約4075万円となります。

3.2 保険の種類と加入時期

納税資金対策としては、終身保険が適しています。終身保険は一生涯保障が続くため、相続が発生した際に確実に保険金を受け取ることができます。また、若いうちに加入することで保険料を抑えることができます2。

3.3 受取人の設定

生命保険の受取人を誰にするかも重要です。受取人を配偶者に設定することで、配偶者の税額軽減を受けることができます。

ただし、配偶者が受け取った保険金を子供の相続税の納税に充てる場合、贈与税が課税される可能性があるため注意が必要です。

4. 注意点

生命保険を活用する際には、以下の点に注意が必要です。

被保険者の年齢や健康状態によっては、保険に加入できない場合があります。

一次相続だけでなく、二次相続も考慮した上で保険を活用することが重要です。

例えば、配偶者が相続した財産に対しても相続税が発生するため、二次相続の納税資金も準備しておく必要があります。

まとめ

生命保険を活用することで、相続税の納税資金を確保し、不動産などの資産を処分せずに相続財産を維持することができます。

保険金受取人および被保険者を相続人として、保険契約者を被相続人とする契約であれば、相続が開始したときに生命保険契約に関する権利を相続人が引き継ぐことになります。

生命保険契約に関する権利については、相続開始のときに契約を解約するとした場合に支払われる解約返戻金の額によって評価されます。
解約返戻金のないものは評価されません。

なお、その権利自体は相続人が引き継いでいくことになりますが、解約返戻金相当額が振込保険料相当額より少ない場合には、相続財産の評価が下がることになります。

相続税対策は、自分の置かれている状況を正確に判断し、どの相続税の対策が状況に合っているかを見極めて、実行していただきたいと思います。

具体的な対策については、専門家に相談することをお勧めします。

※生命保険を活用した相続対策についてはこちらもご覧ください。

この記事を書いた司法書士

鈴木 喜勝司法書士事務所センス 代表司法書士
【保有資格】: 司法書士、行政書士
【専門分野】: 相続全般、遺言、生前対策、不動産売買
【経歴】: 2010年度行政書士試験合格、2012年度司法書士試験合格。2012年より相続業務をメインとする事務所と不動産売買をメインとする事務所の2事務所に勤務し実務経験を積み、2014年に独立開業。独立後は自身の得意とする相続業務をメインとし、相続のスペシャリストとして相談累計件数は1500件を超える。2024年司法書士事務所センス開業10周年、現在に至る。

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