戸籍収集

最終更新日:2026/03/24

相続手続きに必要な「戸籍謄本」の集め方とは?広域交付制度から読み解き方まで司法書士が徹底解説

「銀行で親の預金を解約しようとしたら、『生まれてから亡くなるまでのすべての戸籍』を持ってきてくださいと言われた…」

「本籍地が遠方にあって、どうやって戸籍を取り寄せればいいか分からない」

相続手続きを進める上で、多くの方が最初に直面する最大の壁が戸籍謄本の収集です。

戸籍集めは、単に役所で紙を1枚もらうだけの簡単な作業ではありません。このページでは、練馬 相続遺言の相談窓口(司法書士事務所センス)が、なぜそれほど大量の戸籍が必要なのか、そして2024年に始まった「広域交付制度」や最新の集め方について詳しく解説します。

1. なぜ「出生から死亡まで」のすべての戸籍が必要なの?

相続手続き(不動産の名義変更、預貯金の解約、相続税申告など)において、一番最初にやらなければならないのが誰が正式な相続人なのかを確定させること(相続人調査)です。

ご家族からすれば「相続人は妻である私と、子供2人だけです」と分かっていても、銀行や法務局といった第三者の機関には証明できません。

もしかすると、亡くなった方(被相続人)に「前の配偶者との間に子供がいた」「認知している隠し子がいた」「養子縁組をしていた」という事実が、古い戸籍にだけ眠っている可能性があるからです。

そのため、被相続人が生まれた日から、亡くなった日」まで、1日たりとも空白期間がないように連続した戸籍をすべて集め、第三者から見て完璧に相続人を証明する必要があるのです。

• ▶︎ 関連ページ: [法定相続と相続人 誰が優先的に遺産を受け継ぐのか?]

2. 劇的に便利に!「広域交付制度」を活用しよう(2024年開始)

これまで、戸籍は「本籍地のある市区町村の役所」でしか発行してもらえなかったため、本籍地が全国各地を転々としている場合は、各役所へ個別に郵送請求をしなければならず大変な手間でした。

しかし、2024年(令和6年)3月1日より戸籍証明書等の広域交付制度がスタートし、最寄りの市区町村の窓口(例えば練馬区役所など)で、全国の戸籍をまとめて請求できるようになりました。

広域交付制度を使える人(注意点)

大変便利な制度ですが、誰でも利用できるわけではありません。

 利用できる人

本人、配偶者、直系尊属(父母・祖父母)、直系卑属(子・孫)のみ。

利用できない人

兄弟姉妹や、おじ・おば、甥・姪の戸籍はこの制度では取れません。

その他の注意点

代理人による請求や郵送での請求はできず、必ず請求できる本人が役所の窓口へ直接行く必要があります。

また、コンピュータ化されていない一部の古い戸籍は取得できません。

【参考リンク(外部リンク)】

法務省:戸籍法の一部を改正する法律について(広域交付制度の詳細)

3. 広域交付が使えない場合の「戸籍収集の流れ」

兄弟姉妹の相続などで広域交付が使えない場合は、従来通り以下の手順で地道に戸籍をさかのぼっていく必要があります。

1. 故人の「最新の戸籍(死亡の記載があるもの)」を取り寄せる

矢印(下)

2. 一つ前の本籍地を読み解く

最新の戸籍の内容を見て、「婚姻」や「転籍」によってどこからこの戸籍に入ってきたのか(従前の本籍地)を確認します。

矢印(下)

3. 一つ前の役所へ請求する

判明した従前の本籍地の役所へ、郵送等で戸籍を請求します。

矢印(下)

4. 出生にたどり着くまで②と③を繰り返す

故人の出生時に作られた戸籍にたどり着くまで、芋づる式に過去へさかのぼり続けます。

矢印(下)

5. 相続人全員の「現在の戸籍」を集める

故人の戸籍が揃って相続人が確定したら、その相続人が「現在生きていること」を証明するため、相続人全員の現在の戸籍謄本を取得します。

役所等の窓口へ行く場合に必要な書類

✅ 戸籍交付申請書

✅ 印鑑(シャチハタでもOK)

✅ 本人確認書類

✅ 手数料

✅ 委任状(代理人が請求する場合にはも必要です。)

役所・郵送での請求に必要なもの

①戸籍謄本等郵送請求書

各役所のホームページからダウンロードできます。

②本人確認書類の写し

マイナンバーカードや運転免許証、パスポートなどの本人確認書類

③定額小為替

手数料は定額小為替で払わねばなりません。定額小為替は郵便局で購入できます。

④返信用の封筒と切手

返信用の封筒にはあらかじめ返送先の住所・宛名を記載し、必要な切手を貼っておきます。

• ▶︎ 関連ページ: [相続手続に必要なもの]

4. 戸籍集めが「難しすぎる」と言われる4つの理由

広域交付制度が始まってもなお、「途中でギブアップしてしまった」と当事務所へ駆け込んでこられる方が後を絶ちません。それには以下の理由があります。

① 過去に5回も「戸籍の様式」が変わっているため

戸籍のルールは「明治5年式」「明治19年式(家制度)」「昭和23年式」「平成6年式(デジタル化)」など、歴史の中で何度も変更されてきました。

被相続人がご高齢であればあるほど、手書きの達筆(くずし字)で書かれた明治・大正・昭和の古い戸籍(改製原戸籍など)を何枚も読み解く必要があり、専門知識がないと解読が非常に困難です。

戸籍の歴史

明治5年式(壬申戸籍)日本で最初の戸籍

日本で最初の全国統一様式の戸籍。 戸籍の編成単位は「戸」で、身分登録・住所登録の意味があった。6年ごとに替える予定だったが、実施されなかった。

明治19年式 家制度の時代

屋敷番制度から地番制度への移行。 戸籍は家の単位で、戸主を中心として親族が記載された。

明治31年式

「戸主ト為リタル原因及ヒ年月日」の欄が新設され、戸主となった理由が記載されるようになった。

大正4年式

「戸主ト為リタル原因及ヒ年月日」の欄が廃止され、戸主の事項欄に記載されるように変更。

昭和23年式 家制度の廃止

戦後の民法改正で「家制度」が廃止され、戸籍編成が夫婦単位となった。

平成6年式 デジタル化

戸籍事務の電算化が始まり、コンピュータで戸籍を管理する自治体が増えた。横書きで算用数字を使用し、戸籍謄本が「戸籍全部事項証明書」に、戸籍抄本が「戸籍個人事項証明書」へと名称が変更された。

② 除籍謄本の保存期間は150年

長い間、相続登記などを放置していると手に入らない戸籍が出てきます。

③ 平日の日中に役所・郵便局へ行く時間がないため

郵送請求に必要な「定額小為替」は郵便局の窓口(平日16時まで)でしか買えません。戸籍に抜け漏れが発覚するたびに、平日に何度もやり取りを繰り返すのは、お仕事をされている方にとって大きな負担です。

④ 戸籍の「氏名のふりがな記載」の対応

デジタル社会への対応として、戸籍に「氏名の振り仮名」が法的に記載される新制度がスタートしています。2025年5月以降に各世帯に通知書が届いており、もし内容に誤りがある場合は2026年5月25日までに市区町村へ届け出(修正)をしなければなりません。

この期限を過ぎてしまうと市区町村長によって自動的にふりがなが決定され、後から変更するには家庭裁判所の許可が必要になるなど、現在の戸籍制度は過渡期にあり、手続きがより複雑化しています。

5. 面倒な戸籍集めは、司法書士に「丸投げ」できます

「古い戸籍の文字が読めない」

「兄弟の相続で広域交付が使えない」

「平日に役所や郵便局へ行く時間がない」

もし戸籍収集で行き詰まってしまったら、無理をせずに相続の専門家である当事務所へご相談ください。

司法書士は、国家資格者の権限(職務上請求)を使って、お客様の代わりに全国の役所からスピーディにすべての戸籍職を取り寄せることが可能です。

練馬 相続遺言の相談窓口(司法書士事務所センス)では、戸籍の収集から、誰が見ても相続関係が一目で分かる「法定相続情報一覧図」の作成、そして不動産や預貯金の名義変更まで、すべてワンストップで代行いたします。

まずは初回無料相談(90分)で、現在の状況をお気軽にお聞かせください。

この記事を書いた専門家

鈴木 喜勝司法書士事務所センス 代表
【保有資格】: 司法書士、行政書士
【専門分野】: 相続全般、遺言、生前対策、不動産売買
【経歴】: 2010年度行政書士試験合格、2012年度司法書士試験合格。2012年より相続業務をメインとする事務所と不動産売買をメインとする事務所の2事務所に勤務し実務経験を積み、2014年に独立開業。独立後は自身の得意とする相続業務をメインとし、相続のスペシャリストとして相談累計件数は1500件を超える。
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