最終更新日:2014/05/02

相続不動産を上手に売却

相続に関する不動産のご相談で最も多いのが、相続した土地・建物を実際には使わないので、売却したいというものです。

不動産の売却というイベントは、人生で何度も経験することではないため、こちらの経験値が不動産会社に比べると圧倒的に少ないのが現実です。

より良い売却の方法、より良いタイミング、より良い特例の使い方など、ある程度専門家に相談して最低限の情報を把握した上で、実際の売却に進みましょう。

だれが相続するか決まっていない不動産を売却する場合

相続財産を未分割のまま売却する場合には、各相続人が法定相続分に基づいて共同で相続し、相続人全員が売却したものと考えることになっています。

この割合に基づいて売却代金等を按分し、それぞれが税金を計算して申告することになります。
現にその不動産に居住している人は居住用の特例が使えます。

なお、売却してしまうと法定相続分でそれぞれが相続することを同意したと判断されます。

後に分割協議をして法定相続分と異なる割合で代金を分割することは原則的には認められませんのでご注意ください。

相続してすぐ売却するときの注意点

亡くなった人の自宅土地について小規模宅地の特例を使う場合には、相続税の申告期限(亡くなった日の10ヶ月後)までにその土地を売却すると、80%の減額が使えません。

小規模宅地の特例は、土地の評価額を最大で80%減額するもので、実際にこの特例を使ったおかげで相続税がゼロになったというケースが良くあります。

この制度の適用を受けるにはその他にも様々な要件を満たす必要がありますので、必ず専門家に確認してください。

相続税が取得費に加算される特例(相続財産を譲渡した場合の取得費の特例)

この特例は、相続した土地建物を一定期間に譲渡した場合には、納税した相続税額のうち一定金額を譲渡資産の取得費に加算することができるというものです。

ちなみに、相続税申告期限から3年以内に譲渡した場合この特例が適用できます。

例えば、平成20年4月1日に相続開始(亡くなった)の場合には、平成23年4月1日が期限日になります。また、相続税を物納した場合でも利用できます。

この記事を書いた司法書士

鈴木 喜勝司法書士事務所センス 代表司法書士
【保有資格】: 司法書士、行政書士
【専門分野】: 相続全般、遺言、生前対策、不動産売買
【経歴】: 2010年度行政書士試験合格、2012年度司法書士試験合格。2012年より相続業務をメインとする事務所と不動産売買をメインとする事務所の2事務所に勤務し実務経験を積み、2014年に独立開業。独立後は自身の得意とする相続業務をメインとし、相続のスペシャリストとして相談累計件数は1500件を超える。2024年司法書士事務所センス開業10周年、現在に至る。

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