最終更新日:2024/03/21

相続に関わる手続きについてのまとめ一覧

相続に関する手続きは、故人の財産を法的に承継するために必要なものですが、これには遺言の有無の確認、相続人の特定、遺産分割協議、相続税の申告と納税など、いくつかの重要な段階があります。

相続に関する手続きは地域や個々の状況によって異なるため、具体的なアドバイスを得るためには、法律の専門家に相談することが重要です。

手続きには多くの法的手続きが伴いますが、適切な準備と知識があれば、スムーズに進める事ができます。

故人の意志と生前の計画が反映され、適切な手続きを通じて故人の財産が次世代に引き継がれるように以下のページが参考になれば幸いです。

不動産の名義変更(相続登記)

不相続登記は、故人の不動産が誰に移転するかを正式に記録するために行われます。これにより、不動産の所有権が明確になり、将来的な紛争を防ぐことができます。

相続登記を行わないと、不動産の所有権が不明確になり、売却や担保に使用する時に問題になる可能性があります。

相続登記の手続き

相続登記の手続きは以下のステップで構成されます。

遺言書の確認

故人が遺言を残している場合、その指示に従います。

相続人の特定

故人の戸籍謄本や除籍謄本を取得し、法定相続人を特定します。

財産目録の作成

故人の財産を調査し、財産目録を作成します。

遺産分割協議

相続人全員で遺産の分割方法について協議を行います。

遺産分割協議書の作成

協議が成立したら、遺産分割協議書を作成し、相続人全員が署名捺印します。

相続登記の申請

法務局に相続登記の申請を行い、必要書類を提出します。

登記申請後の流れ

相続登記の申請が受理されると、法務局は登記を行い、新しい所有者として相続人の名義が登記簿に記載されます。

登記が完了すると、登記識別情報などの書類が交付され、これにより正式に不動産の所有権移転が確定します。

相続登記は、相続人が不動産を適切に管理し、利用するための法的な基盤になりますが、手続きは複雑であり、専門家のアドバイスを受けることが一般的です。

相続登記を通じて、故人の意志が尊重され、不動産が適切に次世代に引き継がれることを確実にするために、慎重に行う必要があります。

不動産の名義変更について、もっと詳しく知りたい方は、不動産の名義変更(相続登記)の手続きをご覧ください。

登記申請の義務化

2024年4月からは、相続登記の申請が義務化されています。これにより、相続が発生した場合、一定期間内に相続登記を行わなければならなくなりました。

この義務化は、相続による不動産の所有権関係を明確にし、相続人間のトラブルを防ぐためのもので、相続人が、その所有権の取得を知った日から3年以内に相続登記を行うことを義務付けています

相続登記義務化の背景

長年にわたり相続登記が任意であったため、多くの不動産が登記されずに放置されてきました。

これにより、所有者不明の土地が増加し、土地利用や公共事業に支障をきたすケースが発生しています。

相続登記の義務化は、このような所有者不明土地を減少させることを目的としています。

義務化の具体的な内容

相続登記の申請義務

相続人は、不動産を相続で取得したことを知った日から3年以内に、相続登記を行わなければなりません。

遺産分割協議によって不動産を取得した場合も、遺産分割が成立した日から3年以内に登記を行う必要があります。

過料の導入

正当な理由なく相続登記を行わなかった場合、10万円以下の過料が科される可能性があります。

これは、義務違反に対するペナルティとして機能します。

相続登記義務化の影響

所有者不明の土地が減る

相続登記の義務化により、所有者不明な土地や建物の問題が解消されることが期待されます。

不動産の正確な所有者情報が登記簿に記載されることで、土地の有効活用が促進され空き家問題も前進する事ができます。

相続登記義務化に向けて準備する事

相続人の確認

相続人は、相続が発生した際に、戸籍謄本などを用いて相続人を確認する必要があります。

遺産分割協議の実施

相続人間で遺産分割協議を行い、不動産の分配を決定します。

登記申請の手続き

法務局や司法書士に相談し、相続登記の申請手続きを行います。

相続登記の義務化は、不動産の所有者情報を最新にして、社会的な問題を解決するための制度です。

相続人は、この新しい制度に適切に対応するために、必要な情報を収集し、手続きを進めることが求められます。

相続が発生した際には、早めに法的な手続きを行い、所有者不明土地の問題を未然に防ぐことが重要です。

もし相続登記の義務化に関する具体的な手続きや書類についてのご質問があれば、お気軽にお尋ねください。

相続登記の義務化について、もっと詳しく知りたい方は、こちらのページ「相続登記の義務化」をご覧ください。

生命保険金の請求

生生命保険金の相続に関する手続きは、故人が加入していた生命保険から受け取ることができる死亡保険金を請求するプロセスです。

この手続きは、故人の死亡後、指定された受取人または相続人が適切に行う必要があります。以下に、生命保険金の相続における一般的な手続きの流れを説明します。

保険会社に連絡・資料の請求

まず、亡くなった方が加入していた「保険証券」から保険会社や保障内容を確認します。次に、その保険会社に死亡の事実を伝え、死亡保険金の請求に必要な書類の請求を行います。

誰が手続きを行うか

死亡保険金の請求手続きは、原則として指定された受取人が単独で行うことができます。受取人が指定されていない場合、または先に亡くなっていた場合は、相続人全員による手続きが必要になることがあります。

必要書類

死亡保険金の請求には、以下の書類が一般的に必要です。

  • 死亡保険金請求書(保険会社指定)
  • 被保険者の戸籍謄本または住民票 受取人の戸籍謄本
  • 受取人の印鑑証明書や免許証のコピー(受取人の本人確認書類)
  • 医師の死亡診断書または死体検案書
  • 保険証券

死亡保険金の消滅時効

死亡保険金の請求には期限があります。通常、亡くなった日から3年以内に請求する必要があります。この期限を過ぎると、保険金を受け取る権利が消滅する可能性があるため、早めの手続きが重要です。

死亡保険金の受取り

必要書類を保険会社に提出後、保険会社の判断で問題がなければ死亡保険金が支払われます。

受け取った保険金には税金がかかる場合があります。契約者、被保険者、受取人の関係によって、相続税、所得税、贈与税などの税金の種類が変わります。

税金の種類が違えば、納める税額も変わってきますので、生前に保険の内容や受取人を確認しておく必要があります

生命保険金の請求について、もっと詳しく知りたい方は、こちらのページ「生命保険金の請求」をご覧ください。

預貯金の名義変更

預相続による預貯金の名義変更は、遺産管理の中でも特に注意を要するプロセスです。

相続が発生した際には、故人の資産と負債が法定相続人に引き継がれます。

このプロセスは、故人の意志に基づくものであれば遺言書に従い、そうでなければ法定相続の規則に従って行われます。

相続における預貯金の名義変更手続き

相続人の確定

相続人が誰であるかを確定するために、戸籍謄本や除籍謄本などの公的書類を集めます。

遺産分割協議

相続人全員で遺産分割協議を行い、預貯金を含む遺産の分配について合意を得ます。
協議がまとまったら、遺産分割協議書を作成し、全員が署名・捺印します。

必要書類の準備

銀行に提出する書類として、遺産分割協議書、相続人の印鑑証明書、故人の死亡証明書などが必要です。

金融機関への申請

故人の預貯金がある金融機関に対して、名義変更の申請を行います。
金融機関は、提出された書類を基に手続きを進め、新しい名義人に通帳やキャッシュカードを発行します。

名義変更の際の注意点

遺産分割協議の重要性

遺産分割協議は、相続における最も重要な段階です。この協議を経て、預貯金を含む遺産の分配が決定されます。

正確な書類の提出

銀行への申請には、正確な書類が必要です。不備があると手続きに遅れが生じる可能性があります。

相続税の申告

名義変更と並行して、相続税の申告も必要になる場合があります。相続税の申告期限や計算方法についても事前に確認しておくことが重要です。

名義変更後の手続き

その他の資産に関する手続き

預貯金以外にも、不動産や株式など、故人名義の他の資産についても同様の名義変更が必要です。

定期的な確認

名義変更後も、定期的に資産の状況を確認し、必要に応じて管理を行うことが大切です。

相続による預貯金の名義変更は、故人の意志を尊重し、遺族間の平和を保つためにも、慎重にかつ適切に行う必要があります。

相続手続きは複雑であり、場合によっては専門家のアドバイスを求めることも重要です。相続が発生した際には、冷静に対応し、必要な手続きを確実に行うことが、スムーズな資産の移転につながります。

もし具体的な手続きや書類についてのご質問があれば、お気軽にお尋ねください。相続に関する詳細な情報やアドバイスを提供できるよう、サポートいたします。

預貯金の名義変更について、もっと詳しく知りたい方は、こちらのページ「預貯金の名義変更」をご覧ください。

株式の名義変更

株式も、不動産と同じように名義変更をする必要があります。

故人が保有していた株式は、相続財産の一部として法定相続人に引き継がれます。この手続きは、株式の価値評価、会社の経営への影響、そして相続税の申告など、多くの要素を考慮する必要があります。

相続での株式会社の名義変更手続き

相続人の確定

相続人が誰であるかを確定するために、戸籍謄本や除籍謄本などの公的書類を集めます。

遺産分割協議

相続人全員で遺産分割協議を行い、株式を含む遺産の分配について合意を得ます。
協議がまとまったら、遺産分割協議書を作成し、全員が署名・捺印します。

株式の評価

故人が保有していた株式の価値を評価します。これには、会社の財務状況や市場での評価などが考慮されます

株式譲渡契約書の作成

株式の譲渡には、株式譲渡契約書が必要です。これには、譲渡する株式の数、譲渡日、譲渡価格などが記載されます。

株主名簿の変更

株式譲渡が完了したら、株主名簿を更新します。これにより、新しい株主として相続人が登録されます。

株式の名義変更の注意点

会社の定款の確認

株式の譲渡には、会社の定款に記載されている規定が適用される場合があります。定款で譲渡制限が設けられている場合は、その条件を満たす必要があります。

株式譲渡の承認

一部の会社では、株式譲渡には取締役会や株主総会の承認が必要になることがあります。

相続税の申告

株式の相続には、相続税が課税される場合があります。相続税の申告期限や計算方法についても事前に確認しておくことが重要です。

名義変更後の手続き

その他の資産に関する手続き

株式以外にも、不動産や預貯金など、故人名義の他の資産についても同様の名義変更が必要です。

定期的な確認

名義変更後も、定期的に資産の状況を確認し、必要に応じて管理を行うことが大切です。

相続による株式会社の名義変更は、故人の意志を尊重し、遺族間の平和を保つためにも、慎重にかつ適切に行う必要があります。

株式の名義変更について、もっと詳しく知りたい方は、こちらのページ「株式の名義変更」をご覧ください。

遺族年金の受給

遺遺族年金の受給に関する相続は、故人が残した家族の生活を支えるための重要な生活資金です。

日本では、遺族年金は国民年金と厚生年金保険の被保険者、またはそれらの被保険者であった方が亡くなった際に、故人の所得で生計を維持していた遺族が受け取ることができます。

この制度は、遺族基礎年金と遺族厚生年金の二種類があり、それぞれ受給資格が異なります。

遺族基礎年金の受給資格

遺族基礎年金は、国民年金の制度の一環として提供されており、以下の条件を満たす遺族が受給できます。

  • 故人が国民年金の被保険者であった場合
  • 故人が国民年金の被保険者であった60歳以上65歳未満の人で、日本国内に住所がある人が死亡した場合
  • 故人が老齢基礎年金の受給中に死亡した場合
  • 故人が国民年金の受給資格期間が25年以上ある人が死亡した場合

受給対象者は、子を持つ配偶者や18歳になった年度の3月31日を過ぎていない子、または20歳未満で障害年金の等級1級または2級の子です。

遺族厚生年金の受給資格

遺族厚生年金は、厚生年金に加入している、もしくは加入していた人が亡くなった場合に、以下の遺族が受給できます。

  • 故人が厚生年金加入中に死亡した場合
  • 厚生年金加入中に初診日がある病気やケガが原因で初診日から5年以内に死亡した場合
  • 故人が障害厚生年金1級・2級を受給している時に死亡した場合
  • 故人が老齢厚生年金を受給している時に死亡した場合
  • 故人が受給資格期間が原則25年以上あり、厚生年金の加入期間がある人が死亡した場合

受給対象者は、配偶者、子、父母、孫、祖父母など、故人に生計を維持されていた遺族です。

受給金額と請求手続き

遺族年金の受給金額は、故人の保険料納付状況や加入期間によって異なり、具体的な計算方法は複雑です。

受給権が発生した場合、遺族は年金請求書と必要な添付書類を提出することにより、年金を請求することができます。

遺族年金には5年の時効があるため、受給権が発生してから5年以内に請求する必要があります。

相続税の課税対象

一般的に、遺族年金は相続税の課税対象外です。しかし、特定の条件下で年金受給権が相続税の課税対象となる場合があります。

例えば、保険料負担者、被保険者、かつ、年金受取人が同一人の個人年金保険契約で、その年金支払保証期間内にその人が死亡したために、遺族が残りの期間について年金を受け取ることになった場合です。

遺族年金の受給は、故人の遺志を継ぐとともに、遺族の経済的な安定を図るための制度です。相続が発生した際には、適切な手続きを行い、遺族が適正に年金を受給できるようにすることが大切です。

もし具体的な手続きや計算方法についてのご質問があれば、お気軽にお尋ねください。

遺族年金の受給について、もっと詳しく知りたい方は、こちらのページ「遺族年金の受給」をご覧ください。

この記事を書いた司法書士

鈴木 喜勝司法書士事務所センス 代表司法書士
【保有資格】: 司法書士、行政書士
【専門分野】: 相続全般、遺言、生前対策、不動産売買
【経歴】: 2010年度行政書士試験合格、2012年度司法書士試験合格。2012年より相続業務をメインとする事務所と不動産売買をメインとする事務所の2事務所に勤務し実務経験を積み、2014年に独立開業。独立後は自身の得意とする相続業務をメインとし、相続のスペシャリストとして相談累計件数は1500件を超える。2024年司法書士事務所センス開業10周年、現在に至る。

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