相続登記が必要な理由
最終更新日:2026/03/06
目次
不動産の名義変更(相続登記)が必要な理由とは?放置する5つのリスクを司法書士が解説
ご家族が亡くなり、実家や土地などの不動産を相続した際、必ず直面するのが「不動産の名義変更(相続登記)」です。
「うちは誰も住まないから」「手続きにお金がかかるから」と、亡くなった方の名義のまま放置してしまう方が少なくありません。
しかし、現在の法律において名義変更の放置は「百害あって一利なし」であり、最終的にはご自身や子どもたちに多大なツケを回すことになります。
本記事では、練馬区で数多くの相続手続きをサポートしてきた司法書士が、不動産の名義変更が必要な本当の理由と、放置した場合に待ち受ける「5つの深刻なリスク」を分かりやすく解説します。
なぜ不動産の名義変更(相続登記)が必要なのか?
そもそも不動産登記とは、国(法務局)の帳簿に「この土地・建物は誰のものか」を記録し、社会に公示する制度です。
名義変更が必要な根本的な理由は以下の2点に集約されます。
① 法的な「絶対的権利」を確立するため
名義変更をして初めて、あなたは法律的にその不動産の「正当な所有者」として認められます。
いくら家族間で「長男が家を継ぐ」と口約束をしていても、登記(名義)が亡くなった親のままでは、第三者に対して「これは自分の土地だ」と主張することができません。
② 所有者不明土地問題を解消するため(国の施策)
長年、相続登記が「任意」であったため、日本全国で「現在の持ち主が誰か分からない土地」が急増し、社会問題化しました。
名義変更を適切に行うことは、ご自身の財産を守るだけでなく、地域の空き家問題や公共事業の停滞を防ぐという社会的責任を果たすことにもつながります。
【警告】名義変更を放置する5つの深刻なリスク(デメリット)
「面倒だから」と名義変更を放置すると、以下のような取り返しのつかない事態に陥る危険性があります。
リスク① 最大10万円の罰則(過料)の対象になる
これが現在、最も差し迫ったリスクです。2024年(令和6年)4月から相続登記が法的に「義務化」されました。
相続を知った日から3年以内に登記を行わないと、最大10万円の過料が科される可能性があります。
さらに恐ろしいのは、「過去に相続して放置している不動産」も義務化の対象になることです。(※猶予期限は2027年3月末に迫っています)
(関連ページ:▶︎ [相続登記の義務化について] ※内部リンク)
リスク② 不動産の売却や、リフォームのローン(担保)が組めない
不動産を売却して現金化したいと思っても、亡くなった人の名義のままでは絶対に売ることはできません。
また、老朽化した実家をリフォームしようと銀行でローンを組む際も、名義変更が終わっていなければ担保に設定できず、審査に落ちてしまいます。
リスク③ 相続人が「ねずみ算式」に増え、手続きが不可能になる
放置している間に他の相続人(例えばご兄弟)が亡くなると、その権利はさらにその子ども(甥や姪)へと引き継がれます(数次相続)。
数十年放置した結果、「一度も会ったことがない親戚が数十人もハンコを押さないと、実家の名義変更ができない」という絶望的な状況に陥るケースが後を絶ちません。
リスク④ 他の相続人の「借金トラブル」に巻き込まれる
もし他の相続人の中に、多額の借金をしている人や税金を滞納している人がいた場合、放置している実家の「その人の法定相続分」が、債権者(金融機関や役所)によって勝手に差し押さえられ、競売にかけられてしまうリスクがあります。
リスク⑤ 相続人が「認知症」になると、余計な大金と時間がかかる
遺産分割の話し合い(名義変更の前提)は、相続人全員の「正常な判断能力」が必要です。
もし放置している間に、相続人の一人が高齢で認知症になってしまった場合、そのままでは手続きが進められません。
家庭裁判所で「成年後見人」を選任してもらう必要があり、手続きに数ヶ月かかる上、専門家への報酬(月額数万円)が本人が亡くなるまで継続して発生するという大損害につながります。
なぜ放置してしまった?今まで登記をしなかった理由をケース別に紹介
故人が遠くの不動産を所有していた場合、相続人がその存在を知らずに名義変更ができなかった事例
このような状況を放置すると、時間が経過するにつれて、相続権を持つ人々の数が増加し、遺産分割がまとまらない可能性が高まります。
さらに、最初は遺産分割について合意していたとしても、新たに現れた相続人が自身の相続分を要求することで、遺産分割が停滞する事があります。
これでは、相続人同士の合意をより困難にし、法的な紛争に発展するリスクを高める事になってしまいます。
相続登記を怠ることは、単に法的な手続きを省略すること以上の影響を及ぼします。
故人の財産に対する明確な権利関係を確立するためには、相続発生後速やかに名義変更を行うことが重要です。
これにより、相続人が増えた場合でも、遺産分割に関する合意がスムーズに進むようになります。
相続人が行方不明になってしまい、名義変更が出来なかったケース
相続のプロセスは複雑であり、相続人が見つからない場合にはさらに困難になります。
例えば、相続人が借金を抱えているなどの理由で行方不明になり、その結果、名義変更が行われずに相続が停滞するケースがあります。
相続人が何らかの事情で行方をくらますことは珍しくありません。相続人がいない場合、当然の事ながら遺産分割協議を進める事はできません。
しかし、こういった場合には家庭裁判所に申し立てを行い、「不在者財産管理人」を選任すれば解決への近道となります。
不在者財産管理人には、法律の専門家が任命されることが多く、行方不明の相続人に代わって遺産分割協議に参加し、遺産の分割を実施する事ができます。
この手続きにより、相続人が不在であっても、遺産の分割と名義変更が適切に行う事ができるのです。
権利証を紛失したため、登記が出来ないと思い込んでいたケース
不動産の登記に関する誤解の1つが、登記済証(権利証)を紛失したことで、登記手続きが出来なくなると考えてしまうケースです。
実際には、権利証がなくても、登記識別情報を用いて相続登記を行うことができます。
権利証は、不動産登記法の改正により現在は発行されていないため、紛失した場合の再発行はされませんが、それによって登記が出来なくなるわけではありません。
また、相続登記を行うと大きな相続税がかかるという誤解もあります。実際には相続税が課税されるのは全相続案件の約4%に過ぎません。
多くの場合、相続税は発生しないため、相続財産の名義変更をしない理由はありません。
相続税の課税が心配な場合でも、専門家に適切な手続きや節税対策を相談する事ができます。
したがって、権利証の紛失や相続税の心配を理由に、相続登記を避けることなく、名義変更を進めることをお勧めします。
昔は登記をしなくても何の罰則も無かったので、ずっと放置してしまったケース
昔は、名義変更をしなかったからといって罰則はありませんでした。
しかし2024年4月1日から、相続登記が義務化され、相続から3年以内に登記を行わない場合、10万円以下の過料が科せられることになります。
現在すでに相続登記をせずに放置されている不動産も、この義務化の対象となりますので、早めの対応が必要です。
また、氏名や住所の変更登記も義務化され、変更があった日から2年以内に登記をしないと5万円以下の過料が科せられることになります。
これは2026年4月までに施行される予定です。
相続登記を放置してしまった場合は、法改正後も救済措置があります。
遺産分割協議がまとまらないなどの理由で3年以内に相続登記ができない場合には、法定相続分で一旦登記をするか、相続人申告登記(仮)を利用する方法があります。
これにより、期限内に相続登記ができない場合でも、適切な手続きを取ることが可能です。
適切な対応を行うことで、将来的な問題を避けることができます。
参考リンク: 法務省 相続登記の申請義務化に関するQ&A
複雑な不動産の名義変更は「相続専門の司法書士」へ
「なぜ名義変更が必要か」お分かりいただけたでしょうか。手続きを先延ばしにして得をすることは一つもありません。
しかし、いざ手続きをしようとしても、「誰の戸籍が何通必要なのか分からない」「平日は仕事で法務局や役所に行けない」「遺産分割協議書の書き方が分からない」と挫折してしまう方が非常に多いのも事実です。
そんな時は、不動産登記のプロフェッショナルである司法書士にお任せください。
練馬 相続遺言の相談窓口(司法書士事務所センス)では、面倒な戸籍の収集から、法務局への登記申請書類の作成・提出まで、お客様に代わってすべてを迅速かつ正確に代行いたします。
罰則のリスクや、親族間のトラブルが深刻化する前に、まずは当事務所の初回無料相談をご活用ください。
個人の状況に合わせた最適な解決策をご提案いたします。
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この記事を書いた専門家
- 司法書士事務所センス 代表
-
【保有資格】: 司法書士、行政書士
【専門分野】: 相続全般、遺言、生前対策、不動産売買
【経歴】: 2010年度行政書士試験合格、2012年度司法書士試験合格。2012年より相続業務をメインとする事務所と不動産売買をメインとする事務所の2事務所に勤務し実務経験を積み、2014年に独立開業。独立後は自身の得意とする相続業務をメインとし、相続のスペシャリストとして相談累計件数は1500件を超える。
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