後見の失敗事例
最終更新日:2026/03/12
目次
- 1 申立て前に絶対知っておくべき「5つの落とし穴」とは
- 2 ①兄夫婦が勝手に4,000万円もの財産を使い込んでいた事例
- 3 ②留学中に母が入院 叔父にほとんどの財産を取られてしまった悲劇
- 4 ③家族が後見人になれると思っていたのに、見ず知らずの専門家が選ばれてしまった
- 5 ④実家を売却するためだけに申し立てたのに、売却後もずっと制度が続いてしまう
- 6 ⑤親のお金を「家族のため」に自由に使えなくなってしまった
- 7 まとめ 失敗を防ぐための「たった一つの正解」
- 8 練馬区の「司法書士事務所センス(練馬 相続遺言の相談窓口)」では、成年後見の申立てやご家族の財産管理に関する「初回無料相談(たっぷり90分)」を行っております。
申立て前に絶対知っておくべき「5つの落とし穴」とは
「親の預金口座が凍結されてしまった」
「親名義の実家を売却して、介護費用に充てたい」
このような理由から、役所や銀行に言われるがまま「成年後見制度」の申立てをしようとしていませんか?
ちょっと待ってください!
成年後見制度(法定後見)は、ご家族の財産を守る強力な制度である一方、一度利用をスタートすると原則として途中でやめることができない、非常に厳格な制度です。
事前の知識がないまま安易に家庭裁判所へ手続きをしてしまい、「こんなはずじゃなかった…」と後悔するご家族が後を絶ちません。
ここでは、練馬 相続遺言の相談窓口(司法書士事務所センス)にご相談にいらっしゃった方々の「リアルな失敗事例(思わぬ5つの落とし穴)」ご紹介します。
同じ失敗を繰り返さないための反面教師として、ぜひご一読ください。
①兄夫婦が勝手に4,000万円もの財産を使い込んでいた事例
状況
田中銀次さん(仮名)85歳は認知症と診断されました。銀次さんの奥さんは既に他界されています。
銀次さんには兄と弟の2人の息子がいて、これまでの財産管理は兄の聡さん夫婦が行ってきました。
しかし、弟の孝さんは兄夫婦の管理に反対し、聡さん夫婦が銀次さんの財産を狙っていると疑っている状況でした。
兄の聡さんからのご依頼
今回、聡さんはこの状況を解決するために司法書士に成年後見人になってもらいたいと考え、依頼をしてきました。
自分で父の面倒を見るよりも第三者に管理してもらう方が弟も納得するだろうとの事でした。
使い込みの発覚
田中さんはマンションやアパート経営を通じて安定した収入を得ており、毎月約100万円の収益がありました。
しかし、調べていく内にそのたくさん残ってあるはずのお金が全く残っていないことが発覚しました。
司法書士が聡さんに詳細を尋ねたところ、実は聡さん夫婦が親の資金を使い込んでいたという事実が明らかになりました。6年間にわたる管理の結果、使い込まれた金額は4,000万円に膨らんでいました!
結局、使い込みは隠し通せなかった
孝さんは以前から聡さんを疑っており、聡さんは使い込みの発覚を恐れて、そのプレッシャーの中で成年後見制度の利用を考えたのです。
孝さんからの疑念を払拭し、家族の和解を図るためにも第三者である司法書士の力を借りることが最善の策と判断し、なんとかお金の使い込みを隠したかったのでしょう。
しかし、結局は使い込みが発覚してしまい、兄弟の仲は修復不可能な域まで険悪となってしまいました。
改善策 使い込みは必ずバレます
兄弟間や親子間での金銭的なトラブルはしばしば深刻な対立を引き起こすため、最初から成年後見の専門家である司法書士に後見人を依頼することが賢明です。
このような状況では、家族間の信頼関係が崩れることが多く、特に財産管理に関する責任があると、その重圧は計り知れません。
②留学中に母が入院 叔父にほとんどの財産を取られてしまった悲劇
状況
佐藤瞳さん(仮名)70歳は1人娘の京子(仮名)さんと母子家庭でした。
瞳さんは最近健康を害し入院しなければならなくなりました。
判断能力に問題はありませんが、身体が動かせずほぼ寝たきりの状態です。
留学中の娘にかわって母の兄が面倒を引き受ける
その時、娘の良子さんは海外留学中でお見舞いやお世話ができません。そこで出てきたのが瞳さんの弟で、京子さんの叔父である直樹さんでした。
瞳さんが自分で入院費等の支払いができない状態なので、叔父が財産管理委任契約を締結し、瞳さんの財産を叔父が預かることになりました。
※財産管理委任契約について詳しくはこちらをご覧ください。
娘の知らないうちに母の財産が取られていた
財産管理の叔父への報酬は月額10万円で、さらにとんでもない事に、瞳さんの病状が悪化すると大部分の財産を叔父に受け継げるような遺言を書かせてしまいました。
京子さんは母親が入院している事は知っていましたが、症状の重さや、叔父が勝手に財産管理委任契約まで結んでいる事などは一切知らされていませんでした。
やがて瞳さんが亡くなり、娘の京子さんが急いで帰国した際に、母親の遺産を確認してみるとほとんど無くなっていました。
叔父との泥沼の争い 契約の無効を訴えて裁判にまで発展
京子さんは信頼して任せていた叔父に裏切られ、ショックを隠しきれません。しかし悩んでる時間は無く、急いで遺産を取り返すために叔父と話し合いを試みます。しかし叔父は全く取り合ってくれませんでした。
結局話し合いや調停で解決出来ず、膨大な時間や多額の弁護士費用をかけて裁判をするはめになってしまいました。
改善策 欲の強い身内に任せるとトラブルの元になる
このような家族や親族間での財産管理は非常に甘くなりがちで、結果として親族、兄弟同士で争いが起こり、大きな苦しみをともなう事があります。
このような状況を避けるためには、成年後見の専門家である司法書士などの第三者に財産管理を頼む事を検討するべきかと思います。トラブルを未然に防ぐ事ができ、特定の人だけに肩入れする事もなく安心です。
③家族が後見人になれると思っていたのに、見ず知らずの専門家が選ばれてしまった
ご相談者の声
「長男である私が親の面倒を見ているので、当然私が成年後見人になれると思って申立てをしました。
しかし、家庭裁判所が選んだのは見ず知らずの弁護士でした。
しかも、親が亡くなるまで毎月3万円の報酬を親の財産から払い続けなければならず、大変な負担です…」
なぜ起きたのか?(司法書士の解説)
これが成年後見制度で最も多いトラブルの1つです。
申立書に「長男を後見人候補者とする」と書いても、最終的に誰を後見人にするかを決めるのは家庭裁判所です。
親族間に少しでも意見の対立(不仲)があったり、ご本人の財産額が一定以上(目安として1,000万円以上)あったりすると、裁判所は「親族間のトラブルや財産の使い込みを防ぐため」に、第三者の専門職を後見人に選任する傾向が非常に強いのです。
専門職が選任された場合、ご本人が亡くなるまで毎月2万〜6万円程度の後見人報酬が発生し続けます。
仮に10年続けば、数百万円の出費となってしまいます。
④実家を売却するためだけに申し立てたのに、売却後もずっと制度が続いてしまう
ご相談者の声
「空き家になった親の実家を売却したくて、成年後見人をつけました。
無事に家は売れたので、もう後見人は必要ないと思い『辞めたい』と裁判所に申し出たのですが、『本人の認知症が回復しない限り、死ぬまで辞められません』と言われて絶望しました…」
💡 なぜ起きたのか?(司法書士の解説)
「目的が終わったら、制度の利用も終わる」という誤解による失敗です。
成年後見制度は、ご本人の全財産を包括的に守るための制度です。
「実家の売却」や「遺産分割協議への参加」といった、特定の目的のためだけに期間限定で利用することはできません。
家が売れて多額の現金が手に入った後も、後見人(または専門職の監督人)による厳格な財産管理は、ご本人がお亡くなりになるまで何年、何十年とずっと続きます。
本当に後見制度を使うしか実家を売る方法がなかったのか、事前の慎重な検討が必要です。
⑤親のお金を「家族のため」に自由に使えなくなってしまった
ご相談者の声
「親の預金を管理できるようになれば、今まで通り孫の入学祝いをあげたり、家族みんなで旅行に行ったりできると思っていました。
しかし、後見人になってからは『それは本人のための支出ではないのでダメです』と裁判所から厳しく指導され、1円単位で領収書を求められるようになってしまいました…」
💡 なぜ起きたのか?(司法書士の解説)
後見人の最大の使命は「ご本人の財産を減らさないこと(現状維持)」です。
たとえご家族であっても、親の財産は「他人の財産」として厳格に管理しなければなりません。
そのため、以下のようなお金の使い方は原則として認められなくなります。
✅ 孫への教育資金の援助やお祝い金
✅ 親の財産を使った、生前贈与や投資(株など)などの相続税対策
✅ 家族での外食や旅行費用を親の財布から出すこと
「親のお金なのだから、家族で融通し合えるはず」という感覚のまま後見人になると、家庭裁判所への毎年の収支報告(事務報告)が大きな苦痛になってしまいます。
まとめ 失敗を防ぐための「たった一つの正解」
成年後見制度は、ご本人を悪徳商法や経済的な不利益から守るためには非常に優れた制度ですが、ご家族にとっては「窮屈で、コストのかかる仕組み」になり得るという両刃の剣です。
これらの失敗を防ぐための正解は、家庭裁判所に書類を提出する前に、必ず相続・後見の専門家に『本当に申し立てるべきか?』を相談することです。
• もし、ご親族がまだお元気(判断能力がある)なら…
▶︎ 見ず知らずの専門家ではなく、信頼できる家族に財産を託せる任意後見制度や家族信託という予防策が使えます。(関連ページ:[任意後見制度とは?])
• すでに判断能力が低下している場合でも…
▶︎ 「専門職がつくリスクはどれくらいあるか」「他の解決策はないか」を事前に診断し、最もリスクの少ない方針を立てることができます。
手遅れになる前に、当事務所の無料相談へ
練馬区の「司法書士事務所センス(練馬 相続遺言の相談窓口)」では、成年後見の申立てやご家族の財産管理に関する「初回無料相談(たっぷり90分)」を行っております。
「銀行に言われたから」と焦って動く前に、まずは当事務所へご相談ください。
累計2,000件以上の相談実績を持つ司法書士が、お客様のケースに合わせた最適な「未来設計」をご提案いたします。
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この記事を書いた専門家
- 司法書士事務所センス 代表
-
【保有資格】: 司法書士、行政書士
【専門分野】: 相続全般、遺言、生前対策、不動産売買
【経歴】: 2010年度行政書士試験合格、2012年度司法書士試験合格。2012年より相続業務をメインとする事務所と不動産売買をメインとする事務所の2事務所に勤務し実務経験を積み、2014年に独立開業。独立後は自身の得意とする相続業務をメインとし、相続のスペシャリストとして相談累計件数は1500件を超える。
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