成年後見の申立 

最終更新日:2026/03/20

成年後見の申立て手続きとは?必要書類・費用・流れを司法書士が徹底解説

✅「親の認知症が進み、銀行で定期預金が解約できなくなってしまった」

✅「一人暮らしの親が悪徳商法に騙されないか心配だ」

このようなお悩みを解決するために、家庭裁判所へ申し立てて「ご本人の代わりに財産を管理し、法的に守る人(成年後見人)」を選んでもらうのが、成年後見制度(法定後見)です。

しかし、家庭裁判所への申立て手続きは、集めるべき戸籍や書類が非常に多く、専門知識のない一般の方がご自身だけで進めるには大変な時間と労力がかかります。

このページでは、練馬 相続遺言の相談窓口(司法書士事務所センス)が、成年後見の申立てに関する一連の流れや必要な書類・費用について、分かりやすく徹底解説いたします。

成年後見人とは?(どんな役割をしてくれるの?)

成年後見人に選任された人は、ご本人の利益を最優先に考え、大きく分けて以下の「2つの役割」を担います。

① 財産管理(お金と契約の管理)

ご本人の大切な財産(預貯金、不動産、年金など)を安全に管理します。

✅ 預貯金の入出金管理、生活費や医療費の支払い

✅ 実家などの不動産の管理・売却手続き(※家庭裁判所の許可が必要な場合があります)

✅ 悪徳商法など、ご本人が騙されて結んでしまった不当な契約の取り消し(クーリングオフ)

✅ 毎年の確定申告や納税手続き

② 身上監護(生活環境を整える手続き)

ご本人が安心して生活できるよう、医療や福祉に関する手続きを代行します。

✅ 介護保険の申請や、ケアマネージャー・介護サービス事業者との契約

✅ 病院への入院手続き、または老人ホームなどの施設への入所手続き

(※注:食事の世話やオムツ交換などの「事実行為(実際の介護)」は後見人の役割には含まれません)

また、後見人はこれらの活動内容や財産の収支について、毎年1回、必ず家庭裁判所へ報告書を提出する義務があります。

申立ての手続きの流れと「必要書類」

申立ては、原則としてご本人が実際に住んでいる場所(現住所)を管轄する家庭裁判所に対して行います。(例:練馬区にお住まいなら、東京家庭裁判所が管轄です)

ステップ1:医師の「診断書」を取得する

まずは、ご本人のかかりつけ医や精神科の医師に「成年後見制度用の診断書」と「診断書付票」を書いてもらい、現在の判断能力のレベル(後見・保佐・補助のどれに該当するか)を判定してもらいます。

ステップ2:必要書類を収集・作成する

役所や法務局を回り、以下の膨大な書類を集めます。

• 申立書(家庭裁判所の書式)

• ご本人の戸籍謄本、住民票、登記されていないことの証明書

• 後見人候補者(ご家族など)の戸籍謄本、住民票

• ご本人の財産目録(預金通帳のコピーや不動産の登記事項証明書など)

• 親族関係図や、他の親族(兄弟など)からの同意書・意見書

ステップ3:家庭裁判所へ申立て・面談

書類がすべて揃ったら家庭裁判所へ提出します。

その後、裁判所の調査官から申立人や後見人候補者に対する面談(ヒアリング)が行われ、およそ1〜2ヶ月後に正式な「審判(後見人の決定)」が下されます。

• ▶︎ 関連ページ: [後見人の失敗しない選び方]

申立てにかかる「費用」の目安

家庭裁判所へ申立てを行う際、実費として以下の費用を納める必要があります。

1. 収入印紙代: 3,400円(※後見・保佐・補助の申立て+登記手数料)

2. 郵便切手代: 約3,000円〜4,000円(※管轄の裁判所によって異なります)

3. 鑑定費用(※必要な場合のみ): 5万円〜10万円程度

※以前は10万円以上かかることも多かった鑑定費用ですが、現在は医師の診断書が詳しく書かれていれば、全体の約90%以上のケースで「鑑定なしで手続きが進むよう運用が改善されています。

【重要】ご自身での申立てが「危険」な理由

「書類を集めるだけなら、自分で役所に行ってやってみよう」と思われたかもしれません。

しかし、成年後見の申立てにおいて最も恐ろしいルールがあります。

それは、一度家庭裁判所に申立書を提出してしまうと、裁判所の許可なく途中で取り下げる(やめる)ことができない」という点です。

例えば、

「長男である自分が後見人になるつもりで申し立てたのに、書類の書き方が悪くて、裁判所から『あなたは適任ではないので見ず知らずの弁護士をつけます』と言われてしまった。

こんなことなら申立てをなかったことにしたい!」

と思っても、手遅れなのです。

そのままご本人が亡くなるまで、毎月数万円の専門家報酬を払い続けることになってしまいます。

• ▶︎ 関連ページ: [後見の失敗事例 思わぬ落とし穴があった事例をご紹介]

ご家族が確実に後見人に選ばれるための書類の書き方や、「後見制度支援預金」の活用など、申立てには専門的な戦略が不可欠です。

また、ご本人の状況によっては、成年後見制度よりも家族信託」や、元気なうちの「任意後見制度を利用した方が、ご家族の負担が圧倒的に軽くなるケースも多々あります。

• ▶︎ 関連ページ: [成年後見制度は2種類ある それぞれの違いとは]

迷ったら、まずは司法書士の「無料相談」へ

練馬 相続遺言の相談窓口(司法書士事務所センス)では、家庭裁判所への申立て書類の作成代行から、ご家族に最適な制度選びのコンサルティングまで、トータルでサポートしております。

複雑な書類集めや裁判所とのやり取りはすべて当事務所にお任せいただき、お客様はどうぞご安心ください。

まずは初回無料相談(90分)で、ご家庭のご事情をじっくりとお聞かせください。

【参考リンク(公的機関)】

裁判所:成年後見制度に関する手続き・申立書類のダウンロード

法務省:成年後見登記制度について

この記事を書いた専門家

鈴木 喜勝司法書士事務所センス 代表
【保有資格】: 司法書士、行政書士
【専門分野】: 相続全般、遺言、生前対策、不動産売買
【経歴】: 2010年度行政書士試験合格、2012年度司法書士試験合格。2012年より相続業務をメインとする事務所と不動産売買をメインとする事務所の2事務所に勤務し実務経験を積み、2014年に独立開業。独立後は自身の得意とする相続業務をメインとし、相続のスペシャリストとして相談累計件数は1500件を超える。

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