相続放棄をすると生命保険(死亡保険金)は受け取れるのか

最終更新日:2024/09/05

相続放棄をすると生命保険(死亡保険金)は受け取れるのか

ここでは相続放棄と生命保険の関係について解説いたします。

相続放棄を行った場合、生命保険の死亡保険金を受け取れないと考えている方も多いのではないでしょうか。しかし、実際には生命保険の死亡保険金は相続放棄をしていても受け取る事が出来る場合がございます。

相続放棄をしていても生命保険(死亡保険金)を受け取れる場合、受け取れない場合の違いとは

生命保険には、契約者、被保険者、保険金受取人の3つの役割があります。

契約者とは、保険会社と契約し、保険料を支払う人を指します。

被保険者とは保険の対象となる人を指します。

保険金受取人とは死亡保険金を受け取る人のことを指します。

具体的には保険金受取人が誰に指定されているかによって、生命保険(死亡保険金)が受け取れるか、受け取れないかが決まります。

生命保険(死亡保険金)が受け取れる場合

生命保険(死亡保険金)の受取人が被相続人とは別の法定相続人(例えば、配偶者や子)が指定されている場合、相続放棄後をした後でも、受取人と指定された者はその保険金を受け取ることが出来ます。

受取人が指定されていれば、生命保険(死亡保険金)は受取人に指定された人の固有の財産とされ、相続財産とはみなされないからです。

また、死亡保険金受取人が指定されていない場合でも、約款等に「死亡保険金の受取人は相続人となる」といった条項がある場合には、相続放棄に関係なく死亡保険金を受け取ることが出来ます。しかし、受取人の指定がなく約款に規定があるのみの場合には、相続財産にあたるのか、あたらないのかを保険会社に確認してから保険金の請求をしたほうが安全かと思います。

例えば、被相続人には事業の負債が1億円あり、目ぼしい資産もなく、唯一の財産と呼べるものは8000万円の生命保険(受取人は妻及び子)のみの場合、相続人は借金については全て相続放棄して、生命保険の8000万円は丸々受け取るという事も出来てしまいます。

生命保険(死亡保険金)が受け取れるない場合

生命保険(死亡保険金)の受取人が被相続人の場合、相続放棄後にはその保険金を受け取ることが出来ません。例えば、契約者、被保険者、受取人が全て被相続人である場合、保険会社は死亡保険金を被相続人に支払いますが、その保険金は相続財産とみなされ、相続人が相続放棄をすると生命保険(死亡保険金)受け取ることが出来ません。

逆に受取人が被相続人と指定されていた生命保険(死亡保険金)を受け取ってしまった場合に、あとから多額の負債が見つかっても相続放棄が出来なくなる点にも注意が必要です。この場合相続人は、単純承認したとみなされるため、債務負債を含め全ての相続財産を引き継がなければなりません。

他にも被相続人が生命保険を解約し、解約返戻金の手続きを進めた後に亡くなった場合、その解約返戻金は相続財産となり、相続放棄をすると受け取ることが出来ません。

この記事を書いた司法書士

司法書士 鈴木 喜勝司法書士事務所センス 代表司法書士
【保有資格】: 司法書士、行政書士
【専門分野】: 相続全般、遺言、生前対策、不動産売買
【経歴】: 2010年度行政書士試験合格、2012年度司法書士試験合格。2012年より相続業務をメインとする事務所と不動産売買をメインとする事務所の2事務所に勤務し実務経験を積み、2014年に独立開業。独立後は自身の得意とする相続業務をメインとし、相続のスペシャリストとして相談累計件数は1500件を超える。2024年司法書士事務所センス開業10周年、現在に至る。

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