3ヶ月経過後の相続放棄について

最終更新日:2024/09/10

3ヶ月経過後の相続放棄

相続放棄の手続きは、通常、相続の開始を知った日から3ヶ月以内に行う必要があります。

しかし、3ヶ月を過ぎてしまった場合でも、特定の条件下で相続放棄が認められることがあります。

相続放棄の基本ルール

相続放棄は、相続の開始を知った日から3ヶ月以内に家庭裁判所に申述する必要があります。

この期間を「熟慮期間」と呼びます。

相続放棄の期限を過ぎると、相続人は相続財産と負債を全て受け継ぐ「単純承認」をしたとみなされます。

これにより、プラスの財産だけでなく、マイナスの財産(借金など)も引き継ぐことになってしまいます。

※相続放棄の基本ルールについて詳しくはこちらをご覧ください。

3ヶ月を過ぎた場合の対処法

もし3ヶ月を過ぎてしまった場合でも、以下のような「相当な理由」がある場合には、相続放棄が認められる場合があります。

1 相続財産の存在を知らなかった場合

相続財産が全くないと信じていた場合や、相続財産の存在を知らなかった場合には、その財産の存在を知った日から3ヶ月以内に相続放棄を申述することができます。

借金の存在を知らなかった具体例

① 借金の存在を知らなかった場合

被相続人が亡くなった後に金融機関から借金の返済を求める通知が届き、その時初めて借金の存在を知ったケースです。

② 遺産があると信じていた場合

被相続人が遺産があると信じていた場合です。

例えば、被相続人が生前に「自分には遺産がある」と言っていたため、相続人が借金なんてないと信じていたケースです。

③遺言書の存在を知らなかった場合

被相続人が遺言書を残していたが、その存在を知らなかった場合です。

例えば、遺言書が見つかるまで相続人が遺産の存在を知らなかったケースです。

知らなかったことについて相当な理由があること

被相続人とほとんど交流がなかった場合や、財産調査を行ったが債務の存在が判明しなかった場合などが考えられます。

知ってから3ヶ月以内に相続放棄の申述をしたこと

相続財産の存在を認識してから3ヶ月以内に家庭裁判所に申述を行う必要があります。

相続放棄の申述を行う際には、家庭裁判所に対して「相続財産の存在を知らなかった」ことを証明する必要がありますが、専門家の助けを借りることで解決できる可能性があります。

2 相続人が被相続人と関わりがなかった場合

被相続人との交流がなかった場合 被相続人と相続人が長期間交流がなかった場合です。例えば、被相続人と相続人が疎遠で、被相続人の生活状況や財産状況を全く知らなかったケースです。

 

期限延長の申立て

相続放棄の期限を延長するためには、家庭裁判所に「相続の承認または放棄の期間の伸長」を申立てる事ができます。

この申立ては、相続財産の確認が終わらないなどの理由が必要です。

法定単純承認に注意

相続放棄の申述を行う前に、相続財産を処分したり隠匿したりすると、「法定単純承認」とみなされ、相続放棄が認められなくなります。

このため、相続財産に手を付ける前に相続放棄の手続きを行うことが重要です。

まとめ

相続放棄の期限が過ぎてしまった場合でも、特定の条件を満たせば相続放棄が認められる可能性があります。

早めに専門家に相談し、適切な手続きを行うことが重要です。

この記事を書いた司法書士

司法書士 鈴木 喜勝司法書士事務所センス 代表司法書士
【保有資格】: 司法書士、行政書士
【専門分野】: 相続全般、遺言、生前対策、不動産売買
【経歴】: 2010年度行政書士試験合格、2012年度司法書士試験合格。2012年より相続業務をメインとする事務所と不動産売買をメインとする事務所の2事務所に勤務し実務経験を積み、2014年に独立開業。独立後は自身の得意とする相続業務をメインとし、相続のスペシャリストとして相談累計件数は1500件を超える。2024年司法書士事務所センス開業10周年、現在に至る。

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