相続手続きを司法書士に依頼するメリット
最終更新日:2025/08/17
司法書士は中立的な立場から適切なアドバイスを提供できるため、相続人全員に公平なサービスを提供します。
また、相続手続きに関わる様々な手間を省くことができ、確実に手続きを進めることが可能です。
さらに、一部の相続人だけが手続きの負担を抱えることなく、全員が均等に負担を分担できる点も大きな利点です。そのほかのにもさまざまな利点を以下にまとめました。
目次
1.遺族間で争いを残さない遺産分割の方法をご提案します。
ご親族だけで遺産分割を行うと、争いに発展してしまったり、後々のトラブルに繋がることが多々あります。今は問題なくても、次の相続で争いや問題に発展してしまうケースも珍しくありません。
司法書士は登記の専門家ですが、相続に関する幅広い知識を持っています。
司法書士にご依頼いただければ、これまで多数の相続のご相談をお受けして蓄積した経験とノウハウから、予想される争いやトラブルを未然に防ぐための遺産の分割方法をご提案いたします。
不動産以外の相続手続き
事務所によっては、預貯金の解約払戻しや有価証券の名義変更など、不動産以外の相続手続き(遺産承継業務)もまとめて依頼できる場合があります。
中立的なアドバイスと紛争予防
司法書士は中立な立場で法律的なアドバイスを行うため、相続人間で意見がまとまりやすくなり、将来的なトラブルを防ぐ効果も期待できます。
他士業との連携
相続税の申告が必要な場合は税理士、相続人間で紛争が発生している場合は弁護士など、必要に応じて適切な専門家を紹介してもらい、ワンストップで相続問題を解決できる場合があります。
2.手間と時間を大幅に削減することができる
相続した不動産の名義を変更(相続登記)するめには、様々な書類の収集や作成を行ったうえで、管轄の法務局で登記申請をしなくてはなりません。
特に戸籍の収集については、相続人全員の戸籍と、亡くなった方の出生から死亡までのすべての戸籍が必要で、どの戸籍が必要かを把握するだけでも知識がないと大変な作業です。
これらの戸籍を集めるためには休日は役所が空いていないなど、仕事を休まなければなりませんし、戸籍の取得漏れが何度も起き、その都度、やり直しをしないといけません。
また、登記申請時に必要な遺産分割協議書についても、法律に則った書き方を調べる必要があります。
司法書士に依頼すれば、このような書類の収集や作成のほとんどをお客様に代わってすることでき、お客様の手間を大幅に削減することができます。
相続登記のプロセスで最も負担が大きいのは、必要書類の収集と作成です。
戸籍謄本等の収集代行
相続人を確定させるためには、亡くなった方(被相続人)の出生から死亡まで連続した戸籍謄本や、相続人全員の戸籍謄本など、多数の書類が必要です。
これらは本籍地のある役所で取得する必要があり、平日の日中しか対応してもらえません。司法書士に依頼すれば、これらの複雑な書類収集を代行してもらえます(※印鑑証明書など一部本人が取得する必要がある書類もあります)。
法務局への対応が不要
登記申請や、書類に不備があった場合の補正(修正)対応は、すべて法務局で行う必要があります。
これも平日のみの対応です。司法書士に依頼すれば、申請から完了まで一括して任せられるため、ご自身で法務局へ足を運ぶ必要がありません。
複雑な書類作成の代行
遺産分割協議書(相続人間での合意内容をまとめた書類)や登記申請書など、法律で定められた形式で作成する必要がある専門的な書類の作成を任せることができます。
3.複雑な相続ケースに対応できる
相続の手続きは細かいものも含めると90種類以上あると言われ、一概に相続手続きといっても、お客様の状況によって必要な手続きや書類が大きく異なります。
そのため、インターネットや本で相続手続きの方法を調べても、お客様の個別の状況に合った手続きの方法を把握することは難しいでしょう。
特に以下のような複雑なケースでは、ご自身での対応は非常に困難であり、司法書士への依頼が強く推奨されます。
相続人が多数いる、または疎遠な人がいる
面識のない相続人や連絡が取りにくい相続人がいる場合、書類の取りまとめや遺産分割の調整は困難です。司法書士が間に入ることで、スムーズな連絡と手続きが可能になります。
不動産が複数ある、遠方にある
不動産が複数の法務局の管轄にまたがる場合、それぞれに申請が必要です。司法書士は全国の不動産に対応可能です。
長期間放置されていた相続(数次相続)
相続発生から時間が経ち、さらに次の相続が発生しているような複雑な権利関係も、整理して適切な登記を行います。
相続した不動産をすぐに売却したい場合
売却の前提として相続登記を完了させる必要があります。司法書士に依頼することで、迅速に手続きを進められます。
4.正確でスピーディに相続手続きが可能
相続手続きは必要書類が多く、一般の方が全ての書類を正確に集めたり作成するのは非常に困難です。間違えるとやり直しになってしまったり、後々大きなトラブルに繋がります。
慣れない方がご自身で手続きを行うと、ミスが発生しやすく、結果的に時間がかかったり、将来的なトラブルの原因になったりすることがあります。
司法書士に依頼すれば、必要な書類を正確に収集・作成し、スピーディに手続きを行うことができます。
ミスの防止と迅速な完了
司法書士は登記の専門家として、法令に基づき正確な書類を作成し申請します。書類の不備による補正や申請の却下を防ぎ、スムーズに手続きを完了させることができます。
正確な相続人の特定
古い戸籍は手書きで読みにくいことも多く、相続人を正確に把握するのは難しい作業です。
司法書士は戸籍の読解に慣れており、見落としなく相続人を確定させます。相続人を一人でも見落とすと、遺産分割協議自体が無効になってしまいます。
登記漏れの防止
自宅の敷地以外に、私道の共有持分や、忘れていた山林など、見落とされがちな不動産が存在することがあります。
司法書士は権利証や名寄帳などを調査し、対象となる不動産を漏れなく特定し、登記を行います。
注意喚起!!司法書士以外の相続登記代行にご注意!!
相続登記は、登記等の法律事務の専門家である司法書士の独占業務です。司法書士以外の人が登記申請の代理を業として行うことは、司法書士法に違反する違法な行為であり、処罰の対象となります。
しかし、インターネットで検索すると、民間の会社などが相続登記を代理するようなサービスを提供していることがあります。
これらのサービスは、登記申請書類の自動生成や書類作成の相談などを行っていますが、これらの行為も司法書士法に抵触するおそれがあります。
参考リンク:東京司法書士会 ニセ司法書士にご用心!
司法書士でない業者に相続登記を依頼するリスク一覧
- ①登記申請書類に不備や誤りがあると、登記ができないか間違った登記内容になる
- ②申請内容に不備があると自分で法務局で修正しに行くはめになる
- ③相談に関する秘密が漏れると、個人情報の流出や相続トラブルの原因になる
- ④登記費用が高くなる(民間の会社の手数料分が上乗せされてしまうため)
- ⑤登記申請書類の作成や相談に関する違法行為が発覚すると、罰金や懲役の刑罰を受ける
相続登記は、司法書士に依頼することで、これらのリスクを回避することができます。司法書士は、相続登記の専門家として、以下のようなメリットを提供します。
最初から司法書士に頼んだ方が良い理由一覧
- ①登記申請書類の作成や相談に関する正確かつ迅速なサービスを提供する
- ②万が一、申請内容に不備があっても司法書士が修正するので、お客様は何もしなくて良い
- ②司法書士には守秘義務があるので、相談に関する秘密を厳守出来る
- ③余計な費用や手数料を取られない分、適正な費用を提示出来る
- ④登記の専門家なので申請書類の作成や相談に関する法律的な説明や助言を行える
- ⑤民間の業者も結局は他の司法書士に依頼する可能性がある為、最初から司法書士に依頼した方が余計な手間がかからない
まとめ
相続登記はご自身で行うことも可能ですが、多くの時間と労力、そして専門知識が必要です。
費用はかかりますが、司法書士に依頼することで「確実性」「時間」「安心」を得ることができます。
特に、仕事や家事で忙しい方、法律知識に自信のない方、複雑な相続事情がある方にとっては、司法書士への依頼は非常に大きなメリットがあると言えるでしょう。
相続登記は、相続人の権利を擁護し、自由かつ公正な社会の形成に寄与することを使命とする司法書士にお任せください。
この記事を書いた専門家
- 相続遺言の相談窓口合同会社 代表
-
【保有資格】: 司法書士、行政書士
【専門分野】: 相続全般、遺言、生前対策、不動産売買
【経歴】: 2010年度行政書士試験合格、2012年度司法書士試験合格。2012年より相続業務をメインとする事務所と不動産売買をメインとする事務所の2事務所に勤務し実務経験を積み、2014年に独立開業。独立後は自身の得意とする相続業務をメインとし、相続のスペシャリストとして相談累計件数は1500件を超える。
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