円満相続の準備 油断していると危ない?
最終更新日:2024/03/08
円満相続の準備をしましょう
「私達の子供は仲が良いし…」「うちは遺産が少ないから相続争いとは無縁だし…」「親せき同士が揉めるなんて考えられない」といった考えはしばしば泥沼の相続問題を引き落とす落とし穴となるかもしれません。
対策を講じない事で想像以上に複雑な遺産争いに発展するケースが後を絶たず、今起きている多くの相続問題はこのような油断から生じている可能性があります。
相続トラブルの要因は相続人や故人、親族の行動や状況、それぞれの事情や意見の差によるものなのです。
例をあげてみると・・・・
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当窓口で実際におこったトラブル一覧
- ・相続財産のほとんどが不動産なため、分割しやすい資産が不足していて相続問題が複雑化てしまった。
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- ・財産の全体像を把握できない。(財産目録がかったり、不正確)
- ・予想外に多かったり少なかったりする相続財産の量がトラブルの原因となった。
- ・ 故人が生前に特定の相続人に対して大きな贈与を行っており、それが紛争の火種にとなった。
- ・相続人の中に後妻や養子、非嫡出子がいる。
- ・相続人以外の者が遺産分割に介入してくる事で問題が複雑化した。
- ・予想を超える相続税が課され、手持ちの資金が不足してしまう。
このように相続においては予期せぬ問題が生じるかもしれません。
ご自身では想像できないような困難が実際に起こってしまうのが現実で、前もって対策しておく必要があります。
例えば、認知症によって財産の管理や処分に関する判断能力が失われた場合、上記のような相続に関連する問題はいっそう複雑になってしまいます。
相続争いの約33%が1,000万円以下
最高裁判所の令和4年度司法統計年報によると遺産額が1,000万円以下の事件割合は33%、さらに5000万円以下に絞ると76%になり、遺産の額が多くなくても揉める場合が多い事がいえます。
またこちらグラフのように遺産の種類は不動産だけの割合を見ると全体の47%と半数近くを占めており、物理的に分割出来ない不動産の相続トラブルの多さがうかがえます。
参照:裁判所 司法統計年報
参照2:令和4年度司法統計年報(家事編)
相続争いのデメリット
遺産相続の争いは、家族関係に修復不能な損害をもたらす可能性があります。
さらに以下のようなデメリットを招く事があります。
- ・貴重な時間が無駄になる。
- ・心身ともに大きな負担を感じる。
- ・予期せぬ出費がかかる。
- ・必要な手続きが遅れる。
- ・相続税法の特定の減税措置が利用できなくなる。
- ・親族同士の関係が悪化して修復できない。
適切な対策と計画によって、これらのリスクを最小限に抑えることができます。
ケース別相続トラブル予防法
遺産分割でのトラブル
適切な遺言の作成と実行によって、大半は防ぐ事ができます。しかし、相続人間で問題がなくても、自分の意向が反映されないケースは起こり得ます。
遺言の執行や死因贈与契約などを適切に組み合わせ、現状を精査し最善の予防策を講じることが望ましいです。
納税に関するトラブル
相続税を2,3世代と支払ってゆく内にこれまでの莫大な財産を半分にしてしまった・・・
という事例は日本において珍しくありません。
遺産の分割に次に重要なのが納税対策であり、専門家の助けを借りることでスムーズに進めることができます。
当窓口では経験豊富な専門家を紹介いたしますのでご安心下さい。
相続税の負担をできるだけ軽減したい
上記の納税対策とは違った観点で、やはり負担の大きい相続税をなるべく減らしたいという要望は年々増えています。
相続財産の評価は複雑で、税理士が10人いれば計算結果も10通りになると言われています。不安がある場合は、生前に対策を講じることが推奨されます。
認知症になったときのための対策
近年、被害の多い「特殊詐欺」のように、電話などを使って騙す詐欺事件や悪徳商法から高齢者を守るため、成年後見制度の利用などが増えています。
また、認知症の有無にかかわらず、財産管理委任契約やホームロイヤー契約などの財産、契約保全のための手段が採られるようになりました。
その他相続対策についてご覧になりたい方はこちらも参考にして下さい。
この記事を書いた司法書士
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【保有資格】: 司法書士、行政書士
【専門分野】: 相続全般、遺言、生前対策、不動産売買
【経歴】: 2010年度行政書士試験合格、2012年度司法書士試験合格。2012年より相続業務をメインとする事務所と不動産売買をメインとする事務所の2事務所に勤務し実務経験を積み、2014年に独立開業。独立後は自身の得意とする相続業務をメインとし、相続のスペシャリストとして相談累計件数は1500件を超える。2024年司法書士事務所センス開業10周年、現在に至る。
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